私たちが住む場所は、こんなにも美しい場所なのかと、水平線に沈む夕日で紫色に染まった田園地帯をSUPで漕ぎながら思いました。かつてこの水郷地帯を船にのって行き来していた先人たちも同じような気持ちになったのではないでしょうか。
水上にでてみると、本当に発見がたくさんあります。
自分の脚で水上を立ち、自分の腕で漕ぐ能力を身につけて、安全に航行する能力を身につけた者のみにゆるされた、冬のオフシーズンの観光船の往来が少ない時期のこの場所の特別さを味わう特権です。あまりに長い間水上から遠ざかって陸だけで生活してきた現代人でも、それは意外なほど簡単なステップで得られる特権だけれども、知らないことで知らず知らずの間に水辺は遠い存在になっているのです。
このすばらしい環境を私たちの世代はかろうじて味わうことを許されています。先人たちが苦労して築いてきた水辺のインフラ。少しずつ水質がよくなりつつある時代。そして、そういう環境に目を向けることが許された豊かな時代。この三つの異なる事象がバランスしている時代に私たちはSUPというギアを手にすることができました。この新しくも古い豊かさを今年もいろんな方たちと経験していくことができるのであれば、私たちはもっとシアワセな生活を送ることができると思うのです。水辺にはそれくらいの力があると新年早々感じることができました。
本年も水辺荘をどうぞよろしくおねがいいたします。